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企業の存続・発展の見地から考えますと、中小企業の人事・賃金制度の出発点は、
次の2点だと思います。

評価制度やモチベーションをことさら取り上げなくても、オーナー経営者が市場に通用する実力を持っていれば、社員の納得性ややる気は十分確保できます。しかし、コンプライアンスを軽視しますと、大きなリスクを抱えることになり、問題社員に足をすくわれることになりかねません。まずは、しっかりとした基礎固めが肝要です。






  成長企業にとって、最良のリスクマネジメントは、関連法規の遵守です。
法令違反の現状を放置したままでは、隠れ債務を抱えた金融機関のようなものです。

  重い4つの制裁(刑事罰・行政罰・民事罰・社会的制裁)により、事業の存続さえ危ぶまれる事態に陥る可能性があります。最近でも、衛生基準違反を隠した食品メーカー、リコール隠しの自動車メーカーや補助金不正受給の精肉業者など、法令違反により経営危機に陥った企業は、枚挙に暇がありません。



 

残業代不払いで労働基準監督署の是正命令を受けた場合の支払額は、
企業平均は1328万円、労働者平均では11万円にのぼります。


 

官庁対応、労働者との個別交渉や訴訟に費やす後ろ向きの労力は、ボディブローのように企業のスタミナを奪い、ひいては社員のモラールダウンを招きます。


 

特に労務トラブルは、優秀な人材の採用を困難にし、対外的なイメージダウンなど金銭以外の損失は計り知れません。




 

トラブルが起こってからでは対策が限られ、
コストも高くなります。
積極かつ具体的な防止策のシステム化が必要です。


 

人事・労務管理においては、賃金不払い、解雇制限違反といった直接の法令違反だけでなく、判例法の遵守にも配慮しなければなりません。事業主・企業は経営のプロですから、知らなかったでは済まされません。


 

中小企業の労務管理おいては、グレイな運用は避けられません。管理職以上のマネジメント能力向上が望まれますが、そのためには信頼できる基本ルール(企業内のコンセンサス)の確立が大前提となります。

 






組織は必ずしも均一なメンバーから成り立っているわけではありません。優秀な社員もいれば、問題を起こす社員もいます。また、これに追随する中間層の社員もいます。

組織論の原則では、この構成比は一般に
20:60:20といわれています。自社の人事・労務管理を考える際には、このことを念頭に入れシステム化する必要があります。

   



問題社員は、一般に能力・モラール等が低くいわゆる業績不振です。業績向上の見込みがなければ、速やかなる退社が望まれますが、退職をめぐる問題は労務トラブルの温床でもあります。就業規則の不備により、問題社員から付け込まれ無用なコストが発生させるわけにはいけません。一歩進んで「問題社員を許さない」積極的な予防措置が必要です。



中小企業の賃金設定では、一般に本人の年齢、能力、職務や経歴等を総合的に勘案して決定されています。その際、通常発生する残業に対する時間外賃金について考慮されていないことが多く、いわゆるサービス残業の問題が発生しています。未払賃金の問題を防止すべく、諸手当を含む賃金の再設定は必須です。



会社業績の80%は上位20%の社員が上げているともいわれます。更なる業績向上のためには、優秀社員にとって魅力ある職場とし、業績貢献意欲を引き出す必要があります。優秀者には、三つの報酬(金銭、やりがいある仕事・地位、成長の機会)で十分報いなければなりません。 中間層は良くも悪くも追随者です。優秀者のやる気は、中間層を刺激し、業績貢献意欲を高めます。優秀者と中間層の望ましい相乗効果を引き出すためにも、わかりやすいシンプルな利益還元の仕組みの確立が必須です。






 
【情報収集】
経営層インタビューを皮切りに必要に応じ各階層へのインタビューや各種分析を実施することで、隠れたリスクを浮き彫りにし、現状と問題点を把握します。
 


【対策立案】
把握した問題点の対策を練ります。
就業実態に合致した就業規則を作成し、リスクとコストが最小限になるよう基本賃金を再設定します。
優秀社員の業績貢献意欲を引き出す業績賞与を設定すると同時に総額人件費管理の仕組みを取り入れます。

退職金は、既得権が強く、企業財務に大きな影響を与えます。報奨金としての位置づけを明確にし、企業負担を抑えます。

対策立案に当たっては、十分なシミュレーションを行い、労働条件の不利益変更にならないよう配慮します。
 


【対策立案】
【導入・運用】
制度は運用が命です。そのためには、最初が肝心、社員への周知徹底と制度変更により不利益を受ける社員のケアが重要な課題となります。
経営環境は刻々と変化します。制度は生き物、常に改善し続けることが必要です。



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